収納で変わる暮らし方 ~ストレスフリーの収納計画~
家族の在宅時間が増えるとともに、散らかるのがリビングなどの共用空間です。会社や学校に置いていた資料や文房具などが一気に自宅に持ち込まれることで、ただでさえ散らかりがちな部屋にものが増えてストレスが溜まっているという方も多いのではないでしょうか。
家づくりの不満足アンケートで毎年上位になるのが「収納」です。今回は、そんな不満を感じやすくストレスになりやすい収納について、楽しく片付け上手になれる収納術をご紹介します。
【1】 片付けの3つのポイント
まず「収納」についてご説明するまえに「片付け」についてお伝えします。なぜかというと、いくら収納についてご説明しても片付けの仕方が間違っていると、結局のところ整理整頓ができず綺麗にならないのです。
では片付けはどのようにすればよいのかというと、ポイントは3つあります。1つは「物の居場所を決める」ことです。よくテレビのリモコンや眼鏡がどこかにいってしまって見つけられないことや、日常的に使うもの以外でも「あれどこにしまったかな?」といって探せないケースがあると思います。これらはしっかりと物の居場所を決めていない時に起こります。
2つめは「収納スペースの中身を全部出して仕分ける」ことです。整理整頓に近道は無く、仕分けは避けては通れないプロセスです。面倒で時間もかかりますが、1年に1度ぐらいやると片付けの効率がぐんとあがります。まず、収納スペースの中にあるものをすべて出し、使えないものは処分します。次に仕分けですが、「これはこの収納場所で本当に使いやすいのか?」という視点でみていきます。なんとなくそこにしまってあるけど、実は別の収納場所のほうが便利ということはよくあります。
3つめは「見える化」することです。例えば納戸などの収納スペースに「見える化」させる為、床から天井まで可動棚をつけるなどして、どこに何があるかが一目瞭然の状態にすることもとても大切です。棚が無いと、床から順々に積み上げていき、一番下のケースや段ボールに何が入っているか分からなくなりますし、物の出し入れもしづらく収納効率が悪くなります。納戸であっても積み上げる収納ではなく、棚に納めるように収納することで、すっきり収納することができます。
これら3つのポイントをおさえれば、かなりの片付け上手になれます。
【2】 「見せる収納」でお洒落にしまう
収納は隠すだけではなく、「見せる収納」でお洒落に片付けるのも人気があります。写真のような可動式のレールと棚を使えば、高さを自由に変えられるので物の大きさに合わせてフレキシブル(柔軟)に収納することができます。「見える収納」のメリットは、片付けのポイントでお伝えした「見える化」ができるので、物の居場所が分かりやすい点と、飾り棚として好きな食器や雑貨などをディスプレイも兼ねて収納できる点です。デメリットは、ほこりが被りやすいのでこまめなお掃除が必要になります。
「見せる収納」と収納家具に「隠す収納」を組み合わせることで、お洒落ですっきりとした収納スペースをつくることができます。
この可動レール+棚は、ホームセンターや通販などでも購入できますが、棚やレールを取り付けるために壁に下地が必要なケースも多いです。ご自身で取り付ける場合などは、必要に応じて「下地チェッカー*」も購入し、棚などをしっかり固定できる壁を探すようにしましょう。
*壁の中にある間柱や金属などの下地を探すための工具。
【3】 おうち時間を楽しむ収納術
収納や片付けというと、「面倒だけどやらなくてはいけないもの」というようなネガティブなイメージを持つ方も多いですが、「見せる収納」などにすることで好きな雑貨や食器などをいつも眺めていられるなどポジティブな側面もあります。
おうち時間が多く、オンラインによる家飲みが増えている方におすすめの「ワイングラスハンガー」などは簡単に取り付けられるものが多いので、是非この機会に取り入れて、レストランやワインバーの様な雰囲気を楽しんでみてはいかがでしょうか。
その他にも、最近ではおしゃれな収納ボックスが数多くあり、リーズナブルなものからスタイリッシュなものまでバリエーションが豊富にあるので、好みに合わせて、ある程度の数をまとめて揃えることで、素敵なインテリアとしても演出できます。収納ボックスなどは「見せる収納」には欠かせないアイテムです。ボックスごとに分類して収納できるため、何をどこに収納したのか把握しやすくなります。また、物の居場所もボックス内に固定されるので、元の位置に戻す感覚で収納しやすくなります。何より、家族で収納を楽しむきっかけとなり、片付かないというストレスをなくすことにも繋がるはずです。
ぜひ、収納ボックスなどを取り入れて、収納の楽しさをみつけてください。
片付けや収納計画を見直すと「おうちじかん」がより快適なものになるはずです。住宅カタログや実例集などでは、様々な収納事例が掲載されていますので、それを参考にイメージを膨らませてみてください。