ガーデニングで健康に~ハーブを取り入れたお庭の楽しみ方~

鮮やかな緑と爽やかな風を感じられる季節、植物達の美しい共演をあちらこちらで見ることができます。新しい芽吹きや花の蕾、開花の香りや蝶や鳥の訪れなど、毎日の暮らしの中で植物や小さな命を身近に感じられるのがお庭です。
お庭は日々のお手入れを通じて小さな変化を楽しむことができます。また、綺麗なお庭でも十分ですが、ハーブなどの植物を取り入れることで、健康的な暮らしをサポートしてくれます。
今回はそんなハーブのあるお庭の魅力と作り方についてご紹介します。

【1】 健康に役立つ庭とハーブ


実は庭の植物や土と触れ合うことには、健康的なメリットが多くあります。

植物を育てること自体が「園芸療法」というジャンルで研究されるように、セラピーとしての役割が期待できます。小さな生態系に囲まれた緑の空間は、季節ごとに変化する植物の色彩や香り、音や質感、ハーブなどによる味覚といった五感を刺激することで、ストレスを緩和し気持ちを前向きにしてくれる作用があるそうです。
また、土には多くの微生物が共生していて、それらに触れることで免疫機能も向上すると言われます。

ハーブは、昔から薬として使われ鎮静作用や抗酸化作用など、世界中で健康に役立つ植物として注目されています。そんなハーブを無農薬で育て、ハーブティーや料理に使うなど暮らしに取り入れることで、楽しみながらも心身の健康の増進を促すことができます。

自然から切り離された現代社会では、身近な住まいの中に庭をつくることで、常に自然を感じることができ、心と身体の安定した健康をつくることができるのではないでしょうか。

【2】 お手入れしやすいお庭のつくり方


庭の植物は生きていますので、水や肥料をあげたり、枝の剪定や花がらを摘んだり、虫が付いたら駆除するなど日々のお手入れは欠かせません。そういった手間をどの程度かけられるか。ガーデニングが好きな上級者の方であれば、そのような時間は苦ではなく、むしろ楽しいでしょう。けれど忙しくてあまり時間が取れない方や、そこまでの手間はかけたくない方もいらっしゃいます。

植物の中には手間がかかる種類もあれば、ある程度ほったらかしでも丈夫な強健種もあり、ご自身の植えたい植物がどのような特性があるかを調べることも重要です。

例えば、冬になると葉を落とす落葉樹などは落ち葉を掃除する手間がかかるので常緑樹が多いほうが楽です。とはいえ、全てを常緑樹にしてしまうと季節感を感じることができませんので、1~2割の落葉樹を入れることで、比較的手間がかからずに季節を楽しめるのでおすすめです。

また、植栽をする面積が広ければ広いほど、その分手間がかかりますので、植栽部分は限定して、タイルやレンガ、ウッドデッキなどを敷いて、そこに椅子やテーブルなどガーデンファニチャーを置くとアウトドアリビングとしても楽しめます。

【3】 育てやすいおすすめのハーブ3選


お庭で育てやすく使いやすい、おすすめのハーブを3種類ご紹介します。

・「ローズマリー」
なんといってもまず一番のおすすめは「ローズマリー」です。日向でも半日陰でも簡単に育てられてかなり丈夫で、下草としても見た目も爽やかで薄紫色の花も可愛いです。また、剪定も兼ねて1年中収穫できます。シソ科の常緑樹で、まっすぐ上に伸びる立ち性と垂れて横にひろがる匍匐(ほふく)性のものがありますので好みに合わせて選びましょう。
収穫したら、そのままお肉やお魚と一緒にグリルしたり、色々な料理に混ぜて使えます。またフレッシュハーブティーとしても楽しめます。
「若返り」のハーブとして古くから親しまれ、抗酸化作用が高く、アンチエイジングや集中力を高める効果があると言われています。

・「ミント」
ハーブというとミントを思い浮かべる方も多いほどポピュラーなハーブですが、種類がたくさんあり、見た目や味にバリエーションがあるので好みのミントを見つけて植えてみてはいかがでしょうか。冬は地上部が枯れて無くなり、成長期は水やりをこまめにする必要があり、また繁殖力が高いので適当に植えると広がり過ぎてしまう点など、ローズマリーに比べると多少の手間はかかりますが、丈夫で育てやすく利用価値が高いのでおすすめです。植えるときは、繁殖し過ぎても大丈夫なように、鉢植えにするか限定できるスペースに植えるようにしましょう。
収穫したら、サラダやデザートなど幅広く料理のアクセントに使ったり、消化促進効果が高いので食後のフレッシュハーブティーとして飲んだりできます。

・「タイム」
こちらもシソ科の常緑樹で丈夫で簡単に育てやすいハーブです。古代エジプトでミイラの防腐剤としても使われていたほど抗菌効果が高いので、乾燥させてティーバッグなどに入れ、シューズボックスに入れて臭い消しなどにも利用できます。またお肉の臭い消しや香りのアクセントとしてお料理にも幅広く使えます。
タイムは種類が300~400種類あると言われていますが、一般的に流通しているのは、コモンタイム、レモンタイム、クリーピングタイム、フレンチタイムなどです。グランドカバーに向いているのがクリーピングタイムで主にハーブティーに向いています。それ以外のハーブはお料理にも使いやすいです。

お庭の楽しみ方とおすすめのハーブをご紹介しました。これらのアイデアを取り入れれば「おうちじかん」がより楽しく快適なものになるはずです。住宅カタログや実例集などでは多くの庭の事例も掲載されていますので、是非イメージを膨らませてください。

執筆・監修・情報提供:吉田美帆

吉田美帆
一級建築士/インテリアコーディネーター/宅地建物取引士/武蔵工業大学建築学科(現東京都市大学)卒業、大手設計事務所にて小学校・保育園等の設計、マンションディベロッパーにて企画等を経て独立。執筆やセミナー、講演会など幅広く活躍する。
・1996年 武蔵工業大学卒業設計蔵田賞受賞
・2011年 国際森林年間伐材利用コンクール審査員賞受賞
・2016年 フランス国際映像コンペ(MCSD)受賞

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