テキスタイルで飾る ~おうち時間の楽しみ方~

仕事や家事・育児に追われるそんな毎日、お家の中でもくつろげる空間が必要ですよね。
おうち時間を豊かにするために心地よいインテリアはとても有効ですが、なかでも「テキスタイル」は簡単に、お部屋の雰囲気を変えることができますのでとてもおすすめです。
今回は、そんなおうち時間を楽しめるテキスタイルの魅力や取り入れ方についてご紹介します。

【1】 ただ飾るだけでも雰囲気が変わる「テキスタイル」


「テキスタイル」とは、布製品における生地や柄のことですが、編み物や革製品なども含まれます。ファッション業界で良く使われる用語ですが、建築やインテリアでも使われます。インテリアでは似たような意味で「ファブリック」という用語があり、ほとんど違いはありませんが、ファブリックには「柄」という意味はないので、柄を楽しむという点で「テキスタイル」と表現します。

部屋のインテリアを良くしたいと思ったときに家具を買い替える場合は、それなりのコストがかかります。その点「テキスタイル」は気軽に部屋の雰囲気を変えることができる優秀なアイテムです。
強固で頑丈な建築やインテリアに対して、「テキスタイル」は薄くて柔らかい素材のため親しみやすく、取り入れやすいアイテムと言えます。

「テキスタイル」の取り入れ方はいろいろありますが、ただシンプルに壁に飾る、というだけでもアートのように空間を演出することができます。

【2】 テキスタイルの様々な活用法


ただシンプルに飾る以外にどのような取り入れ方があるかご紹介いたします。

まずは、インテリアと言えば真っ先に思い浮かぶ、カーテンやクッションカバー。部屋を占める面積も大きいので雰囲気を大きく変えることができます。おすすめの取り入れ方としては、クッションであれば2個以上を組み合わせて、1つを柄ものにして、もう1つは同系色の無地などにするとコーディネートしやすいです。
お気に入りの「テキスタイル」を見つけてご自身で縫製しても良いですし、持ち込み生地で作成してくれるところにお願いしてみてはいかがでしょうか。

カーテンやクッションはリビングシーンで活躍しますが、ダイニングシーンでもテキスタイルは有効です。テーブルクロスやランナーなどにすることができます。こちらは縫製までしなくても布テープで簡単に作成できますので、手軽に取り入れることができておすすめです。 テーブルクロスは、季節に合わせて簡単に取り換えることもできるので、気分に合わせてお部屋の雰囲気を変えることができます。

またベッドルームではベッドカバーやピローカバーとして取り入れることができます。
それ以外には、ファブリックパネルという、フレームに布を張ってアートのように飾れるものも人気があります。フレームは様々なサイズがありますので、組み合わせて飾るとお洒落になります。こちらもご自身で作っても良いですし、専門のお店に依頼することもできます。

【3】 柄を上手に飾るコツは?


さまざまな柄が楽しめる「テキスタイル」ですが、柄が複数あるとコーディネートが難しいのではと思われる方も多いので、ここでは上手に取り入れるコツをご紹介します。

1つは全体のインテリアテイストを合わせることです。北欧系なのか、フレンチシックなのか、ナチュラル系か、トラディショナル系かなど、まずはご自宅のテイストを決めます。例えば、天然木などの温かみのある素材感とシンプルで機能的なデザインの家具を配置し、自然や植物などをモチーフにした「テキスタイル」で柄や色を取り入れると北欧系のテイストが出来上がります。
テイストが合っていれば統一感が生まれます。難しいという方は使う色を3色までに決めるとコーディネートがしやすいです。

2つ目は、柄をポイントで使うことです。
柄のアイテムを取り入れる場合、全てを柄にしてしまうと統一感がなくなってしまいます。例えばソファー自体は無地で一緒に置くクッションに柄を取り入れると、落ち着いた中に柄がポイントとして映えます。

また、柄の種類を合わせる事も失敗しないコツです。
例えば、ボーダーならば縞の幅などをそれぞれ変えて飾るのも楽しいです。ボタニカル柄やノルディック柄などは、カラーや柄の大きさで変化を持たせることで、たくさん組み合わせても落ち着いた雰囲気が生まれます。

万が一、失敗したとしても気軽に変更できるのがテキスタイルの良いところです。季節ごとや来客に合わせて、またご自身の気分に合わせて、いろいろと取り入れてみることをおすすめします。気分によってお部屋に変化を持たせることで気持ちが上向きになることもあるかもしれません。

テキスタイルで好みの柄や色を組み合わせてお部屋の中も明るくなれば、「おうちじかん」がより豊かなものになるはずです。住宅カタログや実例集などではさまざまなインテリアデザインが掲載されていますので、是非イメージを膨らませてください。

執筆・監修・情報提供:吉田美帆

吉田美帆
一級建築士/インテリアコーディネーター/宅地建物取引士/武蔵工業大学建築学科(現東京都市大学)卒業、大手設計事務所にて小学校・保育園等の設計、マンションディベロッパーにて企画等を経て独立。執筆やセミナー、講演会など幅広く活躍する。
・1996年 武蔵工業大学卒業設計蔵田賞受賞
・2011年 国際森林年間伐材利用コンクール審査員賞受賞
・2016年 フランス国際映像コンペ(MCSD)受賞

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