~温浴でくつろぐ~ お風呂時間の楽しみ方

日ごとに寒くなり、暖房器具やコートの出番が多くなってきているのではないでしょうか。寒くなるとなかなか身体がほぐれずに、肩こりなど痛みを感じることも。そんな時ほど、身体を温めるお風呂の時間をしっかりと取って心身ともにリラックスできるようにしたいですよね。
今回はそんなお風呂時間の楽しみ方や「温浴効果」などについてご紹介します。

【1】 お風呂時間の「温浴効果」について


入浴には様々な効果があるとされていますが、入浴習慣が昔からある日本では入浴による効果が医学的にも研究・証明されています。ここでは3つの「温浴効果」についてご紹介します。

■1つ目は「温熱効果」
お風呂に浸かると身体は温まります。血管が広がることで血流が良くなり体内の老廃物や疲労物質が除去され、またコリなどの改善にも繋がります。また内臓が温まる事で、内臓の働きを助け、自律神経も整います。また入浴の仕方によってはヒートショックプロテインが生成され、細胞が活性化し免疫力が上がると言われています。

■2つ目は「水圧効果」
お風呂程度でも水圧はしっかり受けます。この水圧により、足先に溜まった血流が押し戻され、全身の血流循環が良くなります。また腹部の圧力により横隔膜が押し上げられ肺の容量が減る為、空気を補おうとして心肺機能が高まる効果も期待できます。

■3つ目は「浮力効果」
プールや海に入ると身体が浮きますが、浴槽でも浮力は働いています。浴槽に浸かる事で体重は約1/9に減少します。その為普段負荷がかかっている関節や筋肉が解放され、緊張からくる脳への刺激も減少し、心身ともにリラックスできると言われています。

【2】 最新のお風呂設備について


画像提供元:株式会社 LIXIL ユニットバス「スパージュ」

また最近では浴室の設備も日々進化していて、さまざまな便利機能がありますのでいくつかをご紹介したいと思います。

まずは、温浴の効果をあげるものとして「ミストサウナ」があげられます。浴室全体を温かい霧でみたすことでサウナ効果を得ることができます。浴槽内にS字型の段差を設けて半身浴ができるような形状のものもあります。ゆっくりお風呂につかりたい人は浴槽の形状も選ぶといいでしょう。さらに浴槽に吐水口がついていて打たせ湯など、リラックス効果が高いものもあります。

もちろん快適なお風呂時間は、日頃から清潔な浴室を維持することも大切です。
浴室の掃除は大変だと感じている方も多いと思いますが、浴槽の自動洗浄機能や水流を利用してゴミを捨てやすいように工夫された排水口などもあります。

現在は、リラックス効果だけでなく、掃除のしやすさまで考えられた様々な設備がありますので、ご自身のライフスタイルに合うものを必要に応じて取り入れてみてはいかがでしょうか。

【3】 お風呂時間を楽しくするコツ


お風呂時間を楽しむコツとして、設備に頼らなくてもグッズなどを取り入れることでよりリラックスした時間を過ごすことができます。

今日にでもできる工夫として、照明を消してキャンドルを置いてみるのもおすすめです。照明は上から照らされるより低い位置にあるほうが、副交感神経が高まると言われています。アロマの香りがついているものなどもありますので、好きな香りのアロマキャンドルを使ってお風呂で特別な時間を過ごしてはいかがでしょうか。

また、入浴剤として天然成分の精油を含んだアロマバスソルトなどをいれると、精油の効果との相乗効果で美肌とリラックス効果が期待できます。
その他には、観葉植物を置くと、無機質な浴室が一気に自然を感じられる空間となりますので、おすすめです。

お風呂時間の効果や楽しみ方についてご紹介しました。これまでにご紹介したような最新設備やグッズなどをご自身に合わせて上手に取り入れれば「おうちじかん」がより豊かなものになるはずです。
まずは、住宅カタログや実例集などでさまざまなお風呂の間取りをご覧になり、是非イメージを膨らませてみてください。

執筆・監修・情報提供:吉田美帆

吉田美帆
一級建築士/インテリアコーディネーター/宅地建物取引士/武蔵工業大学建築学科(現東京都市大学)卒業、大手設計事務所にて小学校・保育園等の設計、マンションディベロッパーにて企画等を経て独立。執筆やセミナー、講演会など幅広く活躍する。
・1996年 武蔵工業大学卒業設計蔵田賞受賞
・2011年 国際森林年間伐材利用コンクール審査員賞受賞
・2016年 フランス国際映像コンペ(MCSD)受賞

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