~新生活様式で変わる!~ スムーズな手洗い動線や清潔な暮らし

最近の感染症対策などの一環でご自身や家族を病気から守る為、除菌や清潔な暮らしに気をつかう方が増えています。新生活様式とも言われる手洗い・うがいなどは小さいお子様から高齢者まで徹底して行われるようになりました。またそれ以外にも清潔な暮らしができるような様々なアイデアや商品の情報が多く出ています。

今回は、スムーズな「手洗いの動線」や清潔な暮らしをするのに「おすすめできる間取りや製品」などをご紹介します。

【1】 コロナ禍で変わった新しい生活様式


新型コロナウィルス専門家会議からの提言を受け、厚生労働省が2020年に新しい生活様式について具体的な実践例を発表しました。これらの新生活様式は2年経った今では定着しているものがほとんどですが、あらためてご紹介します。

1.一人ひとりの基本的感染対策
人との距離はできるだけ2m(最低1m)あける。
会話をする時はなるべく正面を避ける。マスクを着用。
家に帰ったらまず手や顔を洗う。手洗いは30秒程かけて石けんで洗う。人ごみに行った場合はシャワーをあびる。

2.日常生活を営む上での基本的生活様式
こまめに換気(エアコン併用で28度以下に)。
3密の回避(密集、密接、密閉)。
毎朝の健康チェック、体温測定。

上記以外にも、イベントへの参加、会食、買い物、公共交通機関の利用や働き方などについての実践例があげられています。

【2】 スムーズな手洗いの動線とは


新しい生活様式でうたわれている帰宅してすぐの手洗いについては、なるべく玄関に近いところでできることが望ましいです。

画像提供:TOTO株式会社 オクターブスリム

玄関入ってすぐの廊下部分に洗面台を設けるのも有効です。また見た目やデザイン的に廊下に洗面台があることに抵抗のある方は、なるべく玄関に近い位置に洗面所を設け、ドアノブを毎回触らなくても良いように、引き戸などにして、普段は開放しておくという方法もあります。

画像提供:株式会社 LIXIL タッチレス水栓ナビッシュ

また水栓については、非接触型であるタッチレスの水栓にすることも感染対策の観点から大変有効です。
洗面器の個数については、それまでも家族で朝の支度の時間が集中するなどの理由により2か所以上設置する家庭も多かったのですが、感染症対策の視点からも、万が一家族に感染者が出た際、1つを感染者専用にすることができる為、2か所以上設置することは好ましいと言えます。

【3】 感染症対策のためのその他の工夫について


①シューズクローク
玄関脇に広めのシューズクロークを配置することで、ホコリやウィルスなどが付いたコートや靴などを部屋に持ち込まずに収納できるため衛生的です。また衣類以外にもアウトドア用品や園芸用品、ペット用品など屋外で使うものを収納するスペースとして確保できるので、外からの菌やウィルスを部屋に持ち込むことがなくなります。

②リモートワークの為の部屋
会社に出社せずに在宅でオンラインで仕事をする方が増えていますが、リビングやダイニングなどのパブリック空間で行うと、仕事に集中できなかったり、家族に迷惑がかかったりしますので、書斎などリモートワークに集中できる部屋をつくると良いでしょう。その際にオンライン会議の背景となる壁も意識してデザインすると良いでしょう。

③パントリー(食品庫)
外出による他の人との接触回数をなるべく減らすため、スーパーではなく通販で買い物をするかたも増えていますが、その際に必要となるのが収納できるスペースです。食品などはキッチン近くにパントリーを設置することで、スムーズな調理ができるので便利です。その際に棚は深すぎると奥のものが取り出しにくくなりますので、40㎝ぐらいまでの可動棚にすると便利です。

家族を守るため感染症対策に配慮することはとても大切です。住宅カタログや実例集などにも感染症対策のレイアウトの事例などが掲載されていますので、ぜひイメージを膨らませてください。

執筆・監修・情報提供:吉田美帆

一級建築士/インテリアコーディネーター/宅地建物取引士/武蔵工業大学建築学科(現東京都市大学)卒業、大手設計事務所にて小学校・保育園等の設計、マンションディベロッパーにて企画等を経て独立。執筆やセミナー、講演会など幅広く活躍する。
・1996年 武蔵工業大学卒業設計蔵田賞受賞
・2011年 国際森林年間伐材利用コンクール審査員賞受賞
・2016年 フランス国際映像コンペ(MCSD)受賞

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