~幸せを呼ぶ?~ 快適で素敵なトイレ空間のつくり方

よく「トイレを綺麗にすると運気があがる」とか「幸せになれる」という話は耳にしますが、実際毎日使うトイレを清潔に保ち、居心地の良い空間に整えることは心身の健康という観点でもとても大切なことですよね。特に仕事・家事・子育てに多くの時間をとられてしまう主婦(主夫)は、唯一の1人になれるリラックス空間であると感じることも多いようです。

今回はそんな皆さんにとって、無くてはならない大切な場所=トイレの空間づくりをご紹介します。

【1】 トイレ空間づくりで大切な3つのポイント


画像提供:パナソニック株式会社 アラウーノ L150シリーズ

トイレの空間づくりで大切なポイントは3つ。掃除のしやすさ、収納、居心地の良さです。

①掃除のしやすさについては、適度な広さが大切です。
空間が狭いと掃除がしにくいので、ある程度の広さが必要となります。最近の住宅だと約90㎝×150㎝ぐらいが標準ですが、面積にゆとりがあれば手洗いカウンターも付けて幅120㎝~150㎝ぐらいあると快適です。また便器もなるべく凹凸が少ない形状の物を選ぶと掃除がしやすくなります。

②収納は必要な物がしまえるスペースをあらかじめ確保しましょう。
トイレ内に収納したい物はトイレットペーパーや掃除道具、サニタリー用品などがあり、それらはトイレ内に収納できないと困るものばかりですよね。あらかじめそれらの物を収納できるスペースを設けるようにしておきましょう。また、床にかご等を置いてその中に収納する場合もありますが床掃除がしづらいのと衛生的ではないので、扉付き収納の中にしまうことをおすすめします。

③居心地の良さはトイレの位置と空間を好きな物で飾るのがポイント。
トイレはどうしても臭いや音などが気になる空間なので、なるべく家族やゲストが居る場所から離して、例えば廊下でかつ玄関に近すぎない場所などに設置し、換気扇と合わせて窓を設置して換気がすぐに出来るように配慮をすると良いでしょう。また、ご自身やご家族が好きな色や香り、絵等を取り入れてリラックスしやすい雰囲気にすることも大切です。

【2】 トイレの最新機能


日本ではトイレの便器が和式から洋式に代わって久しいですが、その後ウォシュレットや暖房便座などが普及し、最近ではそれに加えて様々な機能が選べるようになってきました。色々な機能があってどれを選べば良いのか分からないという方も多いようですが、大きく分けると「節水機能」「清潔を保つ機能」「快適機能」の3つです。

①節水機能
2000年以前の便器は洗浄時に13リットル以上の水を必要としていたのに対して、その後に開発された節水型トイレは4~5リットルで流せるようになり、約1/3の量となりました。1年間の水道料金で計算すると約15,000円前後節約できることになります。

少ない水でしっかり流す。
トイレも節水に力を入れた商品が多くなっています。
画像提供:株式会社 LIXIL リフォレ

②清潔を保つ機能では、自動で除菌や防汚する機能が便利です。
ウォシュレットのノズルや、8時間以上使われなかった便器内を自動で除菌する機能があります。また便器自体が防汚機能のある素材でつくられているものや、使用前にミストで便器内に水を吹きかけて水の膜で汚れを付きにくくする機能もあります。その他、便器のふちを無くして掃除をしやすくしたり、便座が持ち上がることで隙間を掃除しやすくした機能もあります。

使った後に、便器内を除菌してくれる機能もあり、
清潔に保てるのは嬉しいですね。
画像提供:TOTO株式会社
ウォシュレット(R)一体形便器ネオレスト

③快適機能はトイレ空間の居心地をアップするためのちょっとした工夫が沢山あります。
おしり洗浄の機能がグレードアップしたものや、蓋のオート開閉機能はもちろん、音楽が自動で流れる機能、脱臭機能の高いトイレや便器内がライトアップする機能、その他アプリと連携して、電気・水道代の管理やおつうじ管理などができるものまであります。

退出後に自動的に便器本体から「ナノイーX」を放出し、
臭いや汚れを抑制するので、いつでも快適に使用できます。
画像提供:パナソニック株式会社 アラウーノ L150シリーズ

これらの機能をすべて盛り込む必要は無く、ご自身で必要と思うものをセレクトして快適なトイレ機能を選んでみてはいかがでしょうか。

【3】 快適で素敵なトイレ空間とは


トイレはただ毎日の用をたす場所というだけではなく、一人になれてリラックスできる場所でもありますので、なるべく快適で素敵だと思える空間にしたいですよね。お好きな空間はひとそれぞれ好みもありますが、いくつかおすすめの空間づくりをご紹介いたします。

①アクセントウォールで楽しく
通常トイレの壁は白一色ということも多いと思いますが、白という色は清潔感を感じられる一方で少し緊張感を与える色でもあるため、壁のどこか一面を好きな色などに変えるとそれだけでリラックス空間にグレードアップします。もちろん全面カラーを取り入れても良いです。

②照明で雰囲気づくり
トイレの照明は、たいてい天井にダウンライトやシーリングライトを1灯というのが最近では多いと思いますが、全体を照らす照明以外にも壁や足元を照らす間接照明等があると、リラックスした雰囲気をより演出できます。
この時にスタンド照明や壁付けのブラケット照明などはホコリが溜まりやすくなり、衛生的にはあまり良くないのでおすすめできません。

画像提供:株式会社 LIXIL サティス(SATIS)

③手洗いカウンターを設ける
カウンター式の手洗いにすることで、カウンターの下を収納にしたり、トイレ空間の幅が広くなるので掃除がしやすく設計できるためおすすめです。またカウンターの上にグリーンなどを飾ることもできるのでよりリラックス空間を実現できます。

家族の健康に不可欠なトイレ空間を快適にすることはとても大切です。住宅カタログや実例集などにもトイレの事例などが掲載されていますので、ぜひイメージを膨らませてください。

執筆・監修・情報提供:吉田美帆

一級建築士/インテリアコーディネーター/宅地建物取引士/武蔵工業大学建築学科(現東京都市大学)卒業、大手設計事務所にて小学校・保育園等の設計、マンションディベロッパーにて企画等を経て独立。執筆やセミナー、講演会など幅広く活躍する。
・1996年 武蔵工業大学卒業設計蔵田賞受賞
・2011年 国際森林年間伐材利用コンクール審査員賞受賞
・2016年 フランス国際映像コンペ(MCSD)受賞

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