~初心者でも簡単にできる~ DIYで自分好みの壁にしよう!

最近よく耳にするDIYでおこなうセルフリノベーション。DIYとはDo it yourselfの略で、プロの施工業者に頼むのではなく、自身で材料や道具をそろえて、自分好みの内装や家具を作ったりリメイクしたりすることです。プロに頼むより安価で気軽にできる為、最近ではとても人気があります。今回はそんなDIYでおこなう壁のリメイク方法をご紹介したいと思います。

【1】 DIYでできる壁の種類


DIYでできる壁の種類はいろいろなものがあります。代表的なものは以下の種類になりますが、これ以外にも創意工夫次第では無限にあると言えます。ここでは代表的で取り入れやすいものをご紹介します。

①壁紙
壁紙とひとくちに言っても、ビニル製から紙製や布製のものなど幅広くありますが、日本の新築で多く採用されているのがビニル壁紙です。その理由は、施工のしやすさと、地震などによってひび割れにくいという点です。一方で海外ではその意匠性の高さやエコロジーの観点から紙製や布製が多く採用されています。
また最近では既存の壁紙の上から貼れる、DIY専用のシールタイプの壁紙があり、貼った後に剥がすことができるタイプやシールではなく生糊がついているタイプもあります。シールタイプより生糊タイプのほうが比較的種類は多いです。

通常プロが施工する場合は、現場で糊付けをして貼るのですが、それだとプロ専用の道具や技術が必要なためDIYには不向な一方で、長期的に維持できるなどメリットもあります。ある程度慣れてきた上級者だと、シールタイプ以外の壁紙もDIYでチャレンジできるので、色柄も多数あり、より好みに近づけることができるはずです。

②漆喰壁
調湿作用や菌のバランスを保つ作用もある漆喰は古くから酒蔵などの蔵や住宅でも使われてきました。漆喰壁の施工は難しいイメージがありますが、最近ではDIYで採用する方が増えたこともあり、素人でも比較的簡単に塗れるような商品があります。また漆喰壁に似た商品に珪藻土があります。こちらは天然素材のイメージがありますが、漆喰と比べて歴史の浅い素材で、糊に化学物質が多く使われていることもあり、選ぶときは添加物に何が使われているか確認して取り入れると良いでしょう。

③塗装壁
塗装は、DIYでは一番気軽に取り入れやすい方法です。ローラーで塗装するシーンは海外ドラマなどでもよく登場するので、DIYといえば「塗装」というイメージのある方も多いかもしれません。塗装には大きく分けて水性と油性がありますが、臭いがすくない水性がおすすめです。またなるべく人体に優しく環境にも優しい自然塗料を選ぶと良いでしょう。

【2】 壁のDIYで失敗しないポイント


壁のDIYをするにあたって、失敗せずに綺麗に仕上げるポイントは3つ。

①しっかりと養生すること
どんな素材を扱うにしても、しっかりと養生することが大切です。壁と天井の際や塗らない場所と塗る場所の境目や床、また忘れてはいけないのはコンセントやスイッチなど。養生テープやマスキングテープなどでしっかりと保護しましょう。

②デザインテイストを確認すること
壁紙や塗料などはさまざまな色があり、壁紙は柄もいろいろあって選ぶ作業は楽しく、DIYの醍醐味と言っても良いと思いますが、全体のインテリアのデザインテイストをあらかじめ確認しておくことが大切です。好きな壁紙や塗料を選ぶのは良いのですが、ご自身のインテリアテイストに合っているのかどうかを確認して選ばないとちぐはぐな印象になってしまいますので気を付けましょう。

③下地を整える
壁材を塗ったり貼ったりする際に、仕上がりの綺麗さを決めるのは下地が整っているかどうかが重要です。また下地の種類を選ぶ場合がありますので、材料を発注する際にどのような下地が適応するか確認するようにしましょう。既存の壁紙の上から貼れるものもあれば、剥がさないといけない商品もあります。
下地に不陸があると綺麗に仕上がりませんので、その場合はサンドペーパーなどをかけて滑らかにするようにしましょう。

【3】 壁を素敵にするDIYアイデア2選


壁のDIYはアイデア次第でいろいろと楽しむことができます。ここでは参考にして頂きたいアイデアをご紹介します。

①自由に絵が描ける塗料
塗料の中には単に色を付けるだけではなく、仕上げ材に機能性をもたせたものがあり、その中にホワイトボードや黒板になるものなどがあります。これらは自由に絵や字を書いた後に消すことができるので、壁に絵をかくのが好きなお子さんがいる家庭や、ホームオフィスとしてホワイトボードを使いたい、家族の連絡事項などを書くスペースが欲しいなどのニーズに応えてくれます。

また下地材にマグネットが付くタイプの塗料を塗れば、マグネットも付いて絵が描ける壁がつくれます。黒板塗料もお洒落ですが、あまり面積が多いと部屋が暗い印象になるのと、チョークの粉が気になる方にはホワイトボードの塗料がおすすめです。

②アクセントウォールとして一部の壁を変える
部屋全体の壁を変えるのではなく、一部の壁、一面または二面程度を変えるだけでも部屋全体の雰囲気を変えることができます。労力やコストをかけずに雰囲気を良くしたいという方にはおすすめの方法です。また色付の壁にする場合、白い壁よりも部屋が暗い感じになるので、部屋の明るさの観点からも一部だけ壁を変えるのはおすすめです。

DIYで壁を施行する方法は意外と簡単にできそうですよね。ぜひ楽しみながら計画してみてはいかがでしょうか。住宅カタログや実例集などにもいろいろな壁のデザインの事例が掲載されていますので、是非イメージを膨らませてください。

執筆・監修・情報提供:吉田美帆

一級建築士/インテリアコーディネーター/宅地建物取引士/武蔵工業大学建築学科(現東京都市大学)卒業、大手設計事務所にて小学校・保育園等の設計、マンションディベロッパーにて企画等を経て独立。執筆やセミナー、講演会など幅広く活躍する。
・1996年 武蔵工業大学卒業設計蔵田賞受賞
・2011年 国際森林年間伐材利用コンクール審査員賞受賞
・2016年 フランス国際映像コンペ(MCSD)受賞

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