~暮らしに取り入れよう~ デジタルデトックスできる空間

今ではほとんどの人が持ち歩いているスマホやタブレット。電車に乗っている人の9割がスマホを見ているとも言われます。SNSに動画視聴、ゲームに読書、メールやチャットなど、とても便利で楽しいデジタルコンテンツは種類も豊富で、ついついスマホに向き合う時間が長くなる方も多いようです。その一方で、肩こりや視力の低下などの身体的なトラブルや、SNSやネットニュースでネガティブな情報を目にして落ち込んだりという精神的な弊害も多く聞こえてきます。
今回はそんなデジタルライフと上手に付き合い、家の中でリラックスできるような空間づくりをご紹介したいと思います。

【1】 デジタルデトックスとは?


「いろいろなデメリットも理解できるが、ついついスマホを長時間みてしまう…」という場合に、一定期間スマホなどのデジタル機器に触れない時間や日にちを決めて習慣化する事を「デジタルデトックス」と言います。似たような言葉に「スマホ絶ち」や「IT断食」などがあり、同じような意味で使われます。

スマホなどは中毒性があるとも言われ、見ている時間が長いと、逆にスマホを見ないと不安になってしまう人もいるようです。重症化すると依存症と言われる程になったり、身体にも「スマホ首」と言われる頸椎が変形することによる首・肩のコリや、寝る前にブルーライトを浴びることで寝つきが悪くなったり、目に負担がかかる等の症状が出てしまいます。

デジタルデトックスのやり方としては、土日は見ないと「曜日」で区切ったり、寝る前2時間は見ないと「時間」で区切るやり方もあります。また電波の届かない山奥に数日こもるなどの方法もあるそうです。

そんなデジタルデトックスの効果としては、以下の4点があげられます。
・睡眠の質があがる
・ストレスが軽減される
・五感が研ぎ澄まされる
・時間にゆとりができる

いずれにしても習慣化することが大事なので、ご自分で取組みやすいペースで始めると良いでしょう。

【2】 くつろげる寝室のつくり方


スマホやタブレット等と過ごす時間は楽しい反面、刺激が強いので常に交感神経が優位となり、夜に使用する場合は、寝つきが悪くなったという方も多いのではないでしょうか?
そうならないためにも、寝る2時間ほど前にはなるべくスマホやタブレットから離れるようにしましょう。

また、部屋の照明をなるべく低い位置で照らすと副交感神経が優位になりやすいので、スタンド照明やキャンドル等でリラックスできる空間づくりをしてみましょう。

ベッドカバーやカーテンなどのファブリックは、なるべくベージュ系や寒色系を選ぶと良いでしょう。ビビッドな赤などの暖色系は交感神経を刺激してしまいますので、避けたほうがリラックス効果が高まります。

また、アロマなどを焚いて香りでリラックス空間を演出するのもおすすめです。アロマはお好きな香りでも良いですし、何がいいか分からないという方には、ラベンダー、ローマンカモミール等はリラックスできるので、試してみて合いそうなものを取り入れてみてください。

スマホを見る代わりに、音楽を聴いたり、読書やストレッチをする時間にあてると、寝る前の時間も有効に使えると共に、スムーズな入眠を促すことにもつながります。

【3】 テラスやバルコニーを遊び空間に!


休日などの昼間にデジタルデトックスをするのもおすすめです。
せっかく天気の良い休日にスマホ漬けで1日終わってしまった、なんてことは無いでしょうか?とても勿体ないですし、昼間に太陽の光を浴びないとセロトニンというホルモンが分泌されないため、夜の入眠障害や、幸せホルモンが出ないので鬱っぽくなりやすくなることも…。家づくりでも、昼間の新鮮な空気に触れながら楽しめる空間をつくっておくと便利です。

外で遊ぶといえば、キャンプ等に行くのをイメージされる方も多いですが、最近ではアウトドアリビングのような空間をつくって、そこで友人を呼んでホームパーティーをしたり、1人でお茶や読書を楽しむ方が増えています。

バルコニーやテラスにアウトドアファニチャーを置いて、プランターに植物を植えてバルコニーガーデン等も、自宅にいながらアウトドアを楽しむことができます。最近ではデザイン性の高いLEDランタンや日よけのタープ、雰囲気を盛り上げる様々なグッズも販売されていますので、ご自身の好みに合わせた空間をつくってください。

そんな外部とつながる空間をつくる際のポイントは、外部用コンセントや水栓があると大変便利ですので、新築などで設置できる場合は、あらかじめ計画しておくと良いでしょう。
またプランターガーデンにはハーブ等を植えるとパーティーのお料理やお茶に使えますし、虫よけにもなるのでとてもおすすめです。

スマホやタブレットから離れる時間を取ることはとても有効であるということを紹介させて頂きました。住宅カタログや実例集などにもいろいろなデジタルデトックスのヒントになる間取やデザインの事例が掲載されていますので、是非イメージを膨らませてみてください。

執筆・監修・情報提供:吉田美帆

一級建築士/インテリアコーディネーター/宅地建物取引士/武蔵工業大学建築学科(現東京都市大学)卒業、大手設計事務所にて小学校・保育園等の設計、マンションディベロッパーにて企画等を経て独立。執筆やセミナー、講演会など幅広く活躍する。
・1996年 武蔵工業大学卒業設計蔵田賞受賞
・2011年 国際森林年間伐材利用コンクール審査員賞受賞
・2016年 フランス国際映像コンペ(MCSD)受賞

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