おうちdeアウトドア ~アウトドアリビングの楽しみ方~

ここ数年は空前のアウトドアブームで、さまざまな屋外イベントが行われたり、グランピングなどお洒落なキャンプが流行ったりしています。
そんなアウトドアブームですが住宅でもその傾向があり、ここ数年は家に居ながら屋外で心地よく過ごすアウトドアリビングが流行ってきています。そんなアウトドアリビングの魅力や作り方、注意点、さらにお勧めのグッズや設備などについてご紹介いたします。

【1】 アウトドアリビングの魅力


そもそも『アウトドアリビング』とはどのようなものでしょうか。通常、リビングは住宅の室内に設けるものですが、その一部を外部につくり、風や青空を感じながら過ごせる第2のリビングになります。

室内のリビングほどの大きさではなく、椅子を置いて本を読んだりくつろいだりできるだけの小さな空間でも、十分にその魅力を感じられる贅沢なスペースになります。

利用の仕方としては、日常の食事を屋外でとったり、ティータイムを楽しんだり、子供の遊び場としてビニールプールなどを利用したり、BBQなどホームパーティーを行ったり、単に日光浴としてくつろぐ等、様々なシーンで楽しめます。

これらのアウトドアシーンは出かけないとできなかったことですが、アウトドアリビングであれば自宅にいながらとても手軽に楽しめるので、「魅力的なおうちじかん」を過ごせます。

【2】 居心地のよいアウトドアリビングのつくり方


具体的なつくり方としては、リビングの延長としてテラスやバルコニーを設たり、屋上を利用します。

リビングの延長として設ける場合は、なるべく大きく開口できるようにサッシを大型の引戸や、折戸などにすると一体感が生まれて使いやすい空間になります。
また、1階に設ける場合はウッドデッキなどでしつらえたアウトドアリビングを通って玄関にアプローチするという間取りもお勧めです。周辺に対してオープンな空間になります。

逆にプライバシーに配慮したプライベート空間としたい場合は、中庭にテラスをつくって周囲から見えないようにすることも可能です。この場合はリビングからだけではなく、廊下や寝室など様々な空間からアプローチできるようにすることで、プライバシーを確保しつつ開放的な空間が広がります。

また、心地よい空間とするためには植栽を取り入れることがポイントになります。庭に面している場合は良いのですが、2階のバルコニーや屋上に作る際は、プランターなどで植栽をして緑豊かな空間とすることでリラックスして過ごせる素敵なアウトドアリビングになります。

【3】 設備やグッズでよりおしゃれに快適に!


空間ができたら、つぎは快適に過ごせるような設備や小物などのグッズを用意します。

まず必ず設置していただきたいのは、外部水栓と電源です。水栓は植物の水やりやビニールプールに使ったり、手や物を洗うのにも便利です。電源はサーキュレーターや虫よけ器、電気調理器やオーディオ機器、掃除機、その他いろいろと使えます。

夜間も利用することを考えて照明もつけておくと良いでしょう。持ち運びできるランタンやキャンドルなどで雰囲気を出すことはもちろん良いですが、建物自体に照明を付けられるのがアウトドアリビングのメリットでもあります。明るめの照明があることで、アウトドアリビングでの作業がしやすくなります。その際にLED照明にすることで、虫が寄り付き難くなります。

また、日よけ対策もとても大切です。夏場など直射日光を浴び続けるのはきびしいので、ほどよい日陰をつくってくれる、ガーデンパラソルやキャンプで使うタープ(日よけ)、また はサッシの上部に付けるオーニング(布製の庇)を設置しても良いでしょう。あるいは、建物自体に軒があるような間取りにするのも日よけ対策としてお薦めです。

アウトドアリビングを取り入れることで、自宅でありながら自然を感じられる暮らしが実現でき、「おうちじかん」がより楽しく快適なものになるはずです。住宅カタログや実例集などではアウトドアリビングの事例も掲載されていますので、是非イメージを膨らませてください。

執筆・監修・情報提供:吉田美帆(一級建築士)

SUNIHA UNIHA 代表 吉田美帆
一級建築士/グリーンライフプロデューサー/インテリアコーディネーター/宅地建物取引士/武蔵工業大学建築学科(現東京都市大学)卒業、大手設計事務所にて小学校・保育園等の設計、マンションディベロッパーにて企画等を経て、2011年SUNIHA UNIHA(サニハユニハ)設立。執筆やセミナー、講演会など幅広く活躍する。
・1996年 武蔵工業大学卒業設計蔵田賞受賞
・2011年 国際森林年間伐材利用コンクール審査員賞受賞。
・2016年 フランス国際映像コンペ(MCSD)受賞

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