家の主役はこだわりのキッチン

今や、「家の主役」といっても過言ではないキッチン。“おうち時間”が長くなり、改めて、使い勝手や機能性、お手入れのしやすさや収納力などが気になっている人も多いのではないでしょうか。そこで、今回は家族の笑顔が集まる、快適なキッチンに注目しました。

【1】 キッチンの最新トレンド


昨今、住まいに開放感を求めたり、小さな子どもに目が届きやすいことから、キッチンをリビングやダイニングと同じ空間に配置する人が増えてきました。その結果、キッチンはインテリアの一部と捉え、機能性や清掃性に加えて、これまで以上にデザイン性や色使いを重視する傾向がみられます。

画像提供:キッチンハウス PRODUCT 01(扉:エバルト ゴデーレ/メルクリオ、天板:エバルト/メルクリオ)

このようなニーズを受け、インテリアのトレンドはキッチンにも波及しています。扉材やワークトップには、清潔感や明るい印象を与える色として定番のホワイトのほか、落ち着いた色合いのグレーやブラックなどが注目を集めています。また、プリント技術の向上により、本物のコンクリートや無垢材などにより近い素材感、テクスチャーを再現したインダストリアルな素材の人気も高まっています。

このトレンドに加えて、グレーやブラック系が好まれるのはもう1つ理由があります。それはフローリング材との相性です。木目調のフローリングが床材の主流となっている今、同じような木目調の扉材のキッチンを合わせると微妙な素材感の違いが気になり、ぼやけた印象になりがち。一方、グレーやブラック系は木目調のフローリングとの相性もよく、空間を引き締める効果も持ち合わせています。また、ナチュラルな質感の木素材のダイニングテーブルなどと組み合わせてもしっくりなじみます。

さらに、ここ最近は、レンジフードや水栓金具はステンレスのほか、ブラックなどカラーバリエーションが増え、コンロなどの設備機器にもシンプルなデザインが登場し、よりスタイリッシュなキッチン空間を実現できるようになりました。

しかし、キッチンは家具のように置いたら終わりというわけではなく、設置にあたっては、水道、ガス、電気などの工事が伴います。また、日常的に頻繁に使用する場所でもあり、洗面所などの水回りや玄関などとスムーズな動線を確保しないと作業効率が落ちる恐れも。共働きのご家庭も増えた今、効率的に家事をこなすためにも、キッチンのレイアウトや仕様は早めに計画しましょう。

それではもっとも重要となるキッチンの間取りについてご紹介します。

【2】 オープンキッチンのメリットとデメリット


画像提供:キッチンハウス PRODUCT 04(扉:エバルト、ゴデーレ/ピアノべトン、天板:エバルト/ピアノべトン)

オープンキッチンは、リビングダイニングとの間に仕切りを設けず、1つの空間の中にキッチンを配置したレイアウトです。空間を広くとれるので開放感が得られるうえ、配膳もしやすく、何より、家族間のコミュニケーションがとりやすいことがメリットとしてあげられます。小さいお子さんがいるご家庭では、キッチンにいながら子どもたちに目が行き届くので人気があります。

デメリットは調理中の臭いや煙、音がリビングダイニングに広がってしまうこと。また、オープンであるがゆえにキッチン内が丸見えになってしまうので、急な来客で慌てるなんてことも。キッチンに置く調味料、家電調理器具、小物などにも気を配ったり、こまめなお手入れや整理整頓が求められます。

【3】 クローズドキッチンのメリットとデメリット


3方を壁に囲まれたクローズドキッチンは、ほかの部屋から独立しているので、集中して調理したい人にはぴったりです。 リビングやダイニングとの調和を気にせず、好みや使い勝手を優先してキッチンが選べますし、ほかの部屋に臭いや煙が広がる心配もなく、急な来客に慌てることもありません。

デメリットは、配膳に手間がかかることと、リビングダイニングでくつろぐ家族と距離が生じるため孤独を感じてしまうことも。家族の様子や気配が少しでも伝わるように、視線を程よく遮る小窓や内窓など設けるとよいかもしれません。

【4】 セパレートキッチンで家事効率をアップ


オープンキッチンとクローズドキッチンにはそれぞれにメリット・デメリットがあります。双方のメリットを取り入れ、「見せる」と「隠す」を上手に使い分けるキッチンがセミオープンタイプです。

画像提供:キッチンハウス GRAFTEKT (ブラウン×ベトングレー)、ストレートダイニング(デュエ)

もっとも一般的なのは、キッチンの一部を壁に付けたペニンシュラ(半島)型。そのペニンシュラ型に独立性と回遊性を高めたのがアイランド(島)型です。アイランド型のキッチンは、設置に広いスペースが必要となりますので、充分に広さを検討してからプランニングしましょう。

また最近は、ご夫婦そろってキッチンに立つご家庭も増え、シンクとコンロを平行に配置するⅡ型(セパレート)キッチンのニーズが高まっています。キッチンスペースを最小限に抑えられるうえ、作業スペースや収納スペースを有効活用できるので、家事効率も格段にアップします。

快適なキッチンを作るためには、誰がどのように使用するかはもちろん、食器や家電機器、食材などの数や量を事前に把握しておく必要があります。そして、要望に優先順位をつけておくことも大事。キッチンへのこだわりが強く、機能性や使い勝手などの要望が多い人は、選択肢が豊富なオーダーメイドのキッチンがよいでしょう。また、最近は食材を大量にストックするご家庭も増えていますので、キッチンの近くにパントリー(食品庫)を設置しておくと使い勝手はさらに高まります。

キッチンは家族の健康を促し、コミュニケーションを育む大切な場所。失敗や後悔をしないためにも、まずは住宅カタログや実例集を取り寄せ、プロによる工夫やアイデアをしっかりチェックしてみてください。これからの住まいづくりはもちろん、キッチンのレイアウトや素材、カラー選びなどの参考になるたくさんの事例を見比べ、皆さんの理想のキッチンのイメージづくりに役立てましょう。

取材協力/キッチンハウス(株式会社TJMデザイン)
取材協力/GRAFTEKT(株式会社TJMデザイン)

監修・執筆:石倉 夏枝(編集・ライター)

ヒントがいっぱい 住宅カタログの活用法 ヒントがいっぱい 住宅カタログの活用法