vol.02
2021.06
はじめてでも失敗しない!家づくりの基礎知識
「マイホームを持とう!」そう決断しても、ハウスメーカーに知人でもいない限り、なにから手をつけて良いか迷ってしまいます。また、実際にハウスメーカーへ行こうにも、不安を感じることもあると思います。そこで今回は、家づくりの基礎知識として、1.最初にやるべきこと、2.住宅資金の考え方、3.建設会社の種類と選び方についてご紹介いたします。
1.最初にやるべきこと
それは、みなさんが「どんな家に住みたいか」と思う“夢”や“希望”を、とにかく思いついたことから紙に書きだすことです。スーパーへ買い物に行くときに、「何か買い忘れたような…」とメモしなかったことを後悔したことはありませんか。家は人生で最も高額な買い物です。後悔しないよう紙に書きだすことをお勧めします。もし、なにから書いたらよいか迷ったら、土地や建物の“希望”を書き出してみてください。そして、書きだす内容は、「庭つき」と単語で書くより、「庭でテントを張ってキャンプがしたい」など、思いついた“理由”も書くと、あとで役立ちます。
つぎに、書きだした内容をグループ毎に分けましょう。グループは大きく「土地」と「建物」について分けて考えるとよいでしょう。グループ毎に分けると、書いたことへの矛盾に気づきます。例えば、すべての部屋で窓を南向きに向けることは、よほど南に間口の長い土地がないとできません。しかし、そうした矛盾への気づきが大切なのです。矛盾に気づけば、どちらかを選択することになります。矛盾への気づき以外にも、書きだした内容に優先順位をつけてください。「希望に優先順位をつける」、これが家づくりにはとても大切なのです。なぜなら、すべての希望を満たすマイホームを建てることは、残念ながら難しいからです。
家づくりではたくさんの決断を求められます。例えば土地から探せば、いまある売却物件の中から選ばないといけない時や建物でも、限られた面積のなかで、リビングと主寝室、子ども部屋の割りつけを考えないといけない時があります。そんな時に「わたしはAが譲れないけど、Bは譲れる、理由は〇〇だから」と決断できれば、納得できる家づくりができます。
2.住宅資金の考え方
「どんな家に住みたいか」を紙に書きだすと、その建物を建てる資金が必要だと考えてしまいそうです。しかし実際は違います。住宅資金(=住宅の購入可能額)は、①手元にある預貯金や、親族の援助などで用意できる「自己資金」に、②収入に対して、毎月返済できる住宅ローンから逆算した「借入可能額」の合計額です。一般的に収入の35%~40%の比率が、住宅ローンの返済に充てられる借入限度額と言われています。限度額の上限まで借りてしまうと、病気等の不測の事態に備えることができませんので、自分と家族にあった安全な購入可能額を把握することは、とても大切です。
恥ずかしながら、筆者が自宅を購入した際は、契約直後のボーナスが7割に減り、入居直後の返済でボーナスが半分に減り、とても返済に苦労しました。そうした経験から、安全な購入可能額の把握をお勧めしています。また、新築でも建物価格の3%~7%の諸経費がかかります。購入可能額の全額が建物に充てられないことも知っておいてください。
3.建設会社の種類と選び方
ハウスメーカーを含む建設会社の選定は、これからできあがる建物と、将来のアフターフォローへの安心面において、とても大切です。選定基準のひとつとして、施工の方法(=工法)を知っておくことが重要です。なぜなら、建設会社によって得意な工法があるからです。一戸建て住宅の工法は、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の三種類です。日本には木造の住宅が多いですが、木造のなかにも、軸組工法、2×4(ツーバイフォー)工法、パネル工法の三種類があります。
建設会社は、ハウスメーカー以外にも工務店や設計事務所へ依頼することもできます。ハウスメーカーには企業規模の安心感があり、品質やサービスが規格化されていて、間取り等の提案に期待ができます。工務店も地域に密着したサービスと、価格面で魅力があります。土地が狭い場合や、こだわりの建物を希望する場合は、設計事務所へ依頼するのもよいでしょう。第三者の立場で施工管理もしますので工事中も安心です。
それでも机上で建設会社を選ぶことは難しいので、モデルハウスを見に行くことをお勧めします。お近くの住宅展示場へ行けば、たくさんの建設会社が、お客様へアピールしたい建物を展示しています。住宅展示場へ行くメリットは、なにより建物や設備を見る・触れる・比べるなど、リアルな体感ができることです。また、最近の住宅トレンドや、最新の設備を備えた建物も見ることができますので、建てたいマイホームのイメージが具体化できます。建物内では、各社のスタッフが丁寧に特徴を説明してくれますし、質問にも答えてくれますので、あらかじめ質問や相談したい内容を整理して行くとよいでしょう。
家づくりでは「後悔を恐れずに“納得”して建てる」ことが大切です。そのために、“夢”や“希望”を紙に書きだして優先順位をつけること、住宅ローンの返済から購入可能額を逆算すること、住宅展示場で見る・触れる・比べるなどをリアルに体感することを書きました。みなさまが、家族とともに楽しく暮らせる家づくりの参考になれば幸いです。